ふと、今秋に体験した、素晴らしすぎる経験のことを思い出してみる。
嗚呼、忙しさにかまけて、走りすぎるのも良くないなぁ…
キロクに収めた写真たちを見ていると、本当にそう思う。
だからこそ、こうやって振り返る時間を、敢えて創ってみたいと思うんだ…
今日は、半年以上前から計画してきた、この新政ツアーを。
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2024/3/29、赤坂にて『新政頒布会だらけの会』に参加した際に、
主催のてるじいさん、
「本当は№6だらけの会、次が66回目なんだけど、
66回目は秋田でやりたいって思ってるんだよね、祐輔さんも呼んで」
おぉなんと! それは素敵なアイディア!
その日も贅沢に、新政頒布会のアワアワシリーズを、
冷やしていただいたり、お燗でいただいたりしてたとき。
「ぜひやりましょうよ! 鵜養にも行ってみたいですし~
そしてもしみなさんさえよければ、足を伸ばして温泉に一泊とか」
「それ、いいですね、行きたいです!」とおっしゃってくださってたのは、
圭さん、みつえさん。
「じゃあ、まじめに計画してみるか…」とは、てるじいさん。
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2024/10/19、私たちは秋田に居た。
本当は… 蔵見学は直前まで、できるかどうか不確かだったのに、
私たちの日ごろの行いが佳い?せいか、
蔵見学もOK、そして
なんと祐輔さんご本人が蔵内をご案内してくださるという超スペシャル…✨
「今からお見せするのも、時代錯誤な作り方でございまして、
意味あるのかと思われることも多いかもしれませんが…」との前置き付きで、
祐輔さんが話をしてくださった様々な内容から、抜粋にていくつか。
・洗米器は60%磨きぐらいがよく洗える。90%とかには全然向いてないし、30%とかだと(米が)壊れるし、といった悩みがあったので、いっそのこと手で竹ザルで洗うことにした。限定給水って言うすごい機械があってみんなすごい勢いで導入していて、僕だけなんかアホみたいなことをやっているって感じなんだけど、すごく時間や手間もかかるけど、微妙なコントロールが効くので、人が洗った方がいいと思っている。
・全量蓋麹。一番乾くのて、一番いい麹ができる入れ物と言われているが、へたくそがやると乾きすぎて麹菌の働きがストップする。蓋麹は『ゆきの美人』さんに教えてもらった。全量蓋麹をしている蔵は、ほかは『剣菱』さんと『いづみ橋』さんかな。
・種切る前の麹はモワモワの緑色。振り切ったあとは玄米の肌が露出してる。昔、麹屋をやっていて、普通酒作る用の強力なパワーがある麹を3~4年扱っていた。おかげで実は(祐輔さんは)「麹菌アレルギー」(…と言って本当にむせてらっしゃった…)
・私どもは酵母のチカラって全くあてにしていないんですよ、むしろ(6号は)香りがないのがよくて使っている。酵母に特徴はいらないという主義なので、一番何の個性のない酵母が一番素晴らしいものだと考えていてね。6号酵母は自社で培養せず、必ず醸造協会の6号酵母を使うようにしている。きょうかい酵母を使わないと、廃盤になっても困るので。
そして。
「伝統技法に拘らなければ、ほとんどすべての蔵が今、機械で麹作ってますね。
地酒で有名な蔵って、実は手作りと謳えないところが多い。
手作りって謳えるのは、酒税法上、麹を機械で作ってないことなんですね。
ユネスコで「伝統的な麹造り」とか言っているけど、
ほんとは機械で作ってるんじゃないか、
それを世界遺産に認定していいのかな、みたいな思いはある。」
なるほど…。
なんだろ、ちょっとジャーナリスト気質も垣間見えたりする。。
せんきんの薄井さんもそうだけど、祐輔さんも、
ありのままの事実を歯に衣着せずに全部話してくださる、
それが本当に勉強になる…。
新政社屋入口に飾ってあるモチーフたち。
雨蛙(あまがえる)、陽乃鳥(ひのとり)、
亜麻猫(あまねこ)、涅槃龜(にるがめ)
ここまではお写真OKとのことで、記念に…📸
そして、
愛醸蔵、明醸蔵、吟醸蔵、
すべて見せていただきました。。
蔵のほうは撮影不可のため絵はありませんが、
あのずらっと木桶が並んでいる荘厳な雰囲気の蔵を、思い描いてください…。
吟醸蔵は右奥のライトだけ色が違い、ちょっと光って見えてたのは、
たしかあのあたりで6号酵母が見つかったから、と昔文献で読んだ気が…
出入口下少し奥側に隣接しているこのシャッター絵。
近づくとライトが当たって丸い「円」が浮かび上がる…
これは確かシンボルロゴ…
そう思ってネット文献を探しても出てこないところを見ると、
きっと本で読んだのかな…
(photoby宮津さん)
16時過ぎに社屋について、18時過ぎまで。
さてこのあとは、「第66回 新政"№6"だらけの会」へつづく…
(思いのほか長文になってしまったので、会の模様は別編にて…)