新潟には、
「栃尾」と言う地名と
「栃尾又」と言う地名と、ふたつ存在する。
前者は、あの「あぶらげ」で有名な旧栃尾市(現長岡市)、
後者は、魚沼の山奥にある、御宿が3軒しかない温泉場、
それもぬる湯&ラジウム泉の名湯の。
その「栃尾又」温泉は、3軒の御宿で共通のお風呂場を使い、
それぞれが独立した雰囲気を纏ってる…
*自在館(じざいかん)…日本秘湯を守る会加盟、現代はその会長さんの御宿
*神風館(じんぷうかん)…湯治連泊メイン、素泊まりあり一泊1万円未満
*宝巌堂(ほうがんどう)…静かなオトナなお宿、自分へのご褒美的
随分前、十年以上前に一度、
予約までしたが結局泊まれなかったときがあった。
それ以来、ずっと気になって…
7部屋しかないので、気づいたときは週末は既に満室ということが多く、
今回は…木曜日に『まちなかキャンパス長岡』で登壇するついでに、
金曜日もお休みをいただき、「そうだ、宝巌堂へ行こう…!」
講師で登壇した翌日だったため、
予定よりゆっくりめに長岡市内のビジネスホテルをc/oしたせいで、
浦佐駅から栃尾又温泉へのバスに乗れず(注:当時は一日3本だったか…)、
背に腹は変えられず、タクシーに乗って栃尾又温泉まで。
(HPには片道30分5,000円程度、とあったのが、実は6,500円程度も掛かってしまってびっくりした覚えが… 今は乗り合いタクシー破格値400円!?!で向かえるようです)
有難いのは、当時も今も、c/iが早めのこと。
c/i=12:20(2024/12当時)
のんびりしたい御宿に行くときは、こういうセッティングがとても嬉しい…。
タクシーで到着、右手に『自在館』を見ながら、
この小道をあがってくださったタクシー。
"心がほどける 五感を愉しむ 宝巌堂"
「愉しむ」と言う字を使ってますね…
楽しむ…受動的。与えられたこと(物理的に)に対して楽しく過ごすこと。
愉しむ…能動的。自分自身の気持ち、思いから感じ生まれるたのしい状態。
自発的に「たのしむ」ための心地よい題材が館内にはいっぱい。
絶対これ、美味しいよな…と思う、魚沼産新米こしひかり
米も旨けりゃ米菓も旨い(当然!)
お土産にもちょうどいいし、
何よりこれと同じのが、お着きのお菓子としてお部屋にあるのも嬉しい。
そしてお部屋のお菓子には、
湿気防止のクリップまである!
(これはほかの御宿で見たことがない…! あったら便利グッズ)
ちょいと質のよさそうな小物もあり、
オリジナルおにぎりハガキって… これはザ・新潟って感じ!
思わずお手紙が書きたくなって、買い求めちゃいました◎
ポストからは、定形外分の切手を貼って送ればバッチリ送れます。
二階にあがり、奥の部屋まで。
今回ひとり泊だし、できれば気に入ったお部屋を…と
早めに選んで予約したのがこちら、「弐の捌番(にのはちばん)」のお部屋。
居心地よさそうなお部屋!
冬季以外は、このおこたが丸いちゃぶ台になるようです。
館内、全部で7室、2階と3階に配置され、
それぞれ趣がちょっとずつ異なる。
早速作務衣に着替えて、
お風呂へ参りましょう。
ちょっと肌寒そうだから、
宝巌堂オリジナルの伴天カーディガンも羽織っていきましょ。
今日は、男性が「したの湯」、「おくの湯」、
女性が「うえの湯」、
あら、今日は女性ひとつしか使えないのねん。。
では、「うえの湯」へ。
見れば、一日交替にされている模様。
明日、ふたつ行かないとなると、ちょっと忙しいかな~。。
宝巌堂は栃尾又温泉のなかでも一番高台にあるので、
必然的に階段を下りていくことに。
その昔、「栃尾又温泉センター」だったところ。
当時は日帰りも受け付けていて、ぬるいお湯ゆえに、四角く広い湯舟の淵に、
びっちりおばさまが並んでいてびっくりしたことが(笑)←懐かしい。。
今はご時世柄か、撮影禁止に。
2010年当時の、その昔の御写真も引っ張ってきてみましたよ。
この真ん中の四角い部分から源泉が投入されていて、
お薦めスポットは向こう側。
そこからドバドバ投入されているので、そこで全集中で深呼吸!
(ラジウム泉は吸引OK、飲んでOK)
源泉温度37度、浴槽温度はそれより低い。
下手すると体温より少し低めのときも。
隣に加温浴槽があるので、
確か浴槽内にあたたかいお湯を管で引いていた気も…。
ここ、栃尾又に浸かったら、1時間くらいなんて平気で浸かっちゃう。
寝落ちしながら(笑)
おかげで、手がしわしわ
湯上りは… お疲れ様&ご褒美ビールと参りましょうか。
2階のラウンジに、
冷蔵庫があり、
冷蔵庫メニューはご自由に、c/o時に精算するスタイル。
新潟と言えば、やっぱ「風味爽快ニシテ」でしょう🍻
ちょうどいいお盆があったので、それに入れてお部屋まで。
お部屋で寛ぎの一杯(を、昨晩持たされた、食べきれなかった『大吉』のメンマと餃子とでw)
お夕飯は18時からなので、また少し時間あり。
c/iが早めだと、ほんと時間がゆったり過ごせて嬉しい。
この時も、少しお夕寝したっけな…
あっと言う間にお夕飯の時間に。
お食事は食堂にて。
この日は私以外は、もうひとくみ、ご夫婦かな。
面白いカタチの椅子、意外と、座り心地が良いのに驚き。
お料理、最初のセッティング。
食前酒・うめ酒で乾杯。
今宵のメニュー。
…で、早速日本酒🍶
何故なら、ここの緑川推しラインナップが素晴らしいから。
『緑川』大吟と、純米かな、たしか。
いつも一種類だけは頼まないのです。だってこんなにラインナップあるし、
飲み比べしたほうがそれぞれの味わいも更に際立つってもの。
お料理、次々と。
あらやだわたし、お燗も頼んだのね😂
お酒が進むのは、お料理が美味しいから。
A5ランクにいがた和牛のヒレ
そして、魚沼産こしひかりの新米、お味噌汁。
新潟のお米が美味しいのはもちろん、
お味噌ってやはり、生まれ育った地方の味がほっこり美味しいって思う。
デザートまでしっかり、フルコースでいただいて。
(ひとりディナーでも、温泉宿でいつも、贅沢にひとり2時間コース、フルに満喫してます)
最初、ワイングラスでいただいたのはこちら。
『緑川』純米大吟醸
緑川酒造さんて、自社のHP持ってないんですよ…
流石に今時分はあるかしら…?と思って検索してみたけど、
やはり公式サイトは無いみたい。
大平社長、相当筋金入りに拘ってらっしゃいます◎
(私はそういうところ、好きです♡)
温泉宿に泊まるときは、
到着して一湯、寝る前に一湯、朝一湯、合計三回は浸かるのは当然。
(それより多いときもあるけど)
なので、寝る前の一湯、今日は女性は『うえの湯』しか使えないので、
またこちらへ。
階段下りて、修理中の建屋の前を通って、徒歩2分くらい、かな。
翌朝。
待ちかねていたように、まずは「おくの湯」へ。
「おくの湯」は昔無かった湯舟ゆえ、私は今回お初。
2015年9月に出来たのだと。
「したの湯」の雰囲気もありつつ、広さは充分。
「したの湯」は…
文字通り、「名湯はしたへ下れ」
この暖簾をくぐった先が… とほひ。
約80段、くだって、
くだって…
湯小屋がこちら。
ここ、いつ行ってもひとが居て、その昔、お写真が撮れたことがない😂
朝ごはんも、食事処で。
陽が射す気持ちの良いダイニング。
ああ、ごはんもお味噌汁も口に合って美味しいって、しみじみシアワセ。。
帰りは長岡チームのお友達にピックアップしてもらうことになっていたので、
時間まで、まったりと…
天気も良くなってきたので、お散歩なんかも。
『宝巌堂』さん、ゆったりまったりお世話になりました、ありがとうございます。
「また来たい」とう思えるお宿。
今度来るときも、またひとりで来るかも~
*****
栃尾又温泉、
ぬる湯だけど、私が訪れたのは12月、1月、5月、日帰りで8月、
案外寒い時期も多いけど、不思議と冷たいのが苦にならない。
最初、「ちょっと冷たいかな~」と思っても、
すぐにふうわり、羽衣のような湯の絹がまとわりつく感じ。
長湯してものぼせることがないし、
長湯すればするほど、カラダにたくさん良い要素が取り込まれるし。
ラジウム泉だけは、香りも、色も、感触も、特徴的なものがつかめない。
こればかりは計測して「ハイ、ラジウム泉でした」とならないとわからない。
(あるいは、古来から「霊泉」「万病(が治る)の湯」と言い伝えられているところも多い)
最近、思っていることは、
日本全国、隠れラジウム泉がいっぱいあるんじゃないか、と。
そしてそれらが有効活用されたら、
もっと病気の方とか、身近なラジウム泉で療養できるようになるんじゃないか、と。
携行できる計測器(あるのか!?)を持って、
湯めぐりしながら測りながら全国一周、できたらいいな…。
(2023/12宿泊)
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