** Season's Greetings ** 湯楽粋笑

季節のご挨拶:温泉と日本酒、全国各地のたのしいことや美味しいもの、いろいろ。

旅館 鹿の湯松屋*茨城県北茨城市湯の網温泉

 

北茨城に、ずっと気になっていた御宿が。

確か…鹿さんが昔にあげてたっけ、茶色い温泉と壁に描かれた鹿の絵。

足を伸ばそうにも、なかなかいかない方面。

 

ここ2年ほど、鮟鱇鍋をいただきに北茨城に行く機会あれど、

そのときにはここはもう、立ち寄り湯はやっておらず、のみ不可に…。

 

思い立って…4月の二週目に予約をしてみた。

北茨城の湯の網温泉『鹿の湯松屋』

 

茨城と言えば…

 ひたちなか海浜公園=国営ひたち海浜公園のネモフィラ畑は昔から有名。

東日本大震災直後の5月に、復興支援の気持ちも込めてはじめて足を運んだっけ。

途中、立ち寄った友部SA(下り)で綺麗なネモフィラと、満開の桜🌸

 

ちょうど開花時期が延びて、例年よりは遅い満開らしいけど、

それはそれで有難き誤算…。

 

おかげで道々、桜を愛でながら北上したのだけれど…

ちょっと待って…

北茨城、何にも宣伝とかしてないけど、

この山桜って、吉野の千本桜に匹敵するのでは!?と思うくらい、

見る限りの山々が薄桃色に染まるそれは、とてもとても美しい…

これ、立派な観光逸材になりますよ…。

山を少し離れても、道々の1本桜も素敵だし、

時折枝垂桜も🌸

本当に見事な満開…!

そんな桜ドライブの終点が、ここ。

『鹿の湯松屋』この先左側

行く道右側に、桜の木々が並び、

さぁ、到着…。

駐車場はそのまま奥まで。

車を駐車し、エンジンを止めると、

響く鶯の声。何ともいえぬ清々しい空気。

「ここ、か…。」

 

実はこの桜の木の手前のビニールを掛けてたものが、源泉。

(c/oのときにお伺いしました)

旅館のほうへ、そのまま少し歩く。

湯の網温泉 鹿乃湯 松屋

入り口を開けると、ロビー。

「ごめんくださ~い」

「都合により 日帰り入浴・立ち寄り入浴のご利用はなくなります。2023/9/13 店主」

まだ新しい張り紙。

確かにこのころだったな、

お電話してみたら「うちはもう日帰りは…」と言われたのは。

 

奥の方へ通していただき、

浴室から少しあがったところにある大き目の部屋へ。

綺麗にされていらっしゃいます。

部屋に居ながらにして、お花見ができる…!

中庭に桜の木が一本。

本当にこの季節に、来れて良かった…

思いがけず、北茨城で、大好きな桜三昧🌸

 

さて、どなたもまだ入ってないようだから、温泉へ♨

部屋を出て、この廊下の突き当りが…

浴室。

浴室? ガラス戸とか、とても綺麗、ここが本当に浴室??

入浴時間は、午前6:30から午後8:15まで。

先ほどのガラス戸のなかは…この雰囲気。

 

なんと…! この光のラインと浴室の青い色と湯の色と…

なんてレトロで瀟洒な浴室… 想像以上に素敵な雰囲気✨

まさに”美しすぎる浴室”…!

 

タイルの床には、

天井の湯気抜きから舞い込んできた桜の花びらが数枚🌸

 

そして湯の色は…茶色、と言うにはありふれた感が。

お湯は正真正銘の鉄泉(二価鉄27g)、

これは敢えて、テラコッタカラー、と言ってみたい。

静々と浴槽に身をうずめ、入口側を見るとこんな感じ。

鹿の湯の効能=脳(って何!?)、神経衰弱、神経痛、リウマチ、胃腸病

暫し湯浴みをたのしみ、

部屋で寛ぎ、夕暮れの散歩に出かけ。

戻って来て、ひと眠りしたら、お夕飯の時間。

お部屋に運んでくださいます。

名物のキンキ塩焼きがメインと思ってたら、

なんと蟹サンまで…!

お刺身も美味しそうだし、

あとは小鉢が少々。

…充分、楽しめる夕餉です◎

それもこんなお部屋でゆっくりいただけるとは、少し贅沢な気分。

 

お飲み物メニューから、

地酒『富久心』の純米吟醸と純米酒を一合ずつ。

 

キンキ塩焼きが美味しくって、綺麗に食べて骨をよけたらば、

下げてくださるときに「こんなに綺麗に召し上がってくださって…」と

御礼を言われてしまいました🐟

 

そういえば… いつぞやの立石の有名な鶏半身揚げのお店でも、

綺麗に食べて褒められたな…

 

流石に食べた後の画像は無いけど、

猫またぎ状態の、骨だけ残ってるお皿をイメージしていただければ(笑)

 

ごはんも美味しかったな…

そういえば『純ちゃん』のところで出してくださってるのも、

茨城のミルキークィーンだし。

 

眠る前にもう一浴。

夜はまた、ちょっとムーディな雰囲気に。

年度始めの諸々のお疲れで少々肩が痛かったのだけど、

このお湯に浸かった翌日にはけろり、と治ってましたよ…♨


蛇口左側から鉱泉の源泉を出して顔に浸したら、

これまたしっとりと潤いまして… やはりなかなかの名湯でございました。。

 

朝食。こちらもお部屋にて。

この玉子の黄身の色に驚いて。

あとでお聞きしたら、ご主人がこだわって取り寄せているものなんだ、と。

この玉子でオムレツとか出汁巻き卵とか、リクエストしてみたい…。

 

久々の、「想像以上の素晴らしい体験」ができたお宿、それが鹿の湯松屋さん。

なんだろ、この御宿に行って帰ってくる行程含め、

北茨城の魅力がじわじわ感じられた旅。

 

先回、鮟鱇の旅の帰路寄ったこちら、『松野屋』に寄るのも実は楽しみのひとつ。

…行けばわかります。ちなみにここの筋子、美味しいです◎

…いいじゃないの、北茨城。

また、行きますよ、絶対。

 

(2025/4/宿泊)

yunami.jsdi.jp

 

<温泉分析書>

源泉名:湯の網鉱泉(鹿の湯1号泉) 泉質:単純鉄冷鉱泉 源泉温度:15.8度

pH:6.4 溶存物質:830mg/kg 加水あり/加温あり/循環あり/消毒(不明)