(阿曽原温泉小屋からの続き)
<奥黒部探湯行3日目>
朝7時半。
お世話になった阿曽原温泉小屋を後にする。
向こうに見えるあの山々を…
今日は越えていくんですって…。。
その名も『雲切新道』
(引用元:仙人温泉小屋サイト)
緑溢るる中を進み、仙人谷ダムに近づくと、
何やらこんな山奥に似つかわしくない立派な建造物が。
関電人見平宿舎、ここでいう「関電」は関西電力のことですね。。
私たちは、この建屋を右手に見ながら、仙人湯の方へ~
「あの山を越えていくんだよ~」by飯出隊長
「えーーーーー!?」
まずは旧日電歩道とやらを行く。
「電車に注意」??
わぁ…。
なんか、素敵な空間になってる。
もちろん、電車は通らず。
建屋を抜け、何故かその建屋の屋上に上がり(笑)、
仙人谷ダムを見下ろす。
見事なエメラルドブルー!
折角なので…一番見晴らしのいいところで、記念撮影タイム📷
ちょうど、仙人から降りてこられたスタッフの方とすれ違ったので、
撮っていただきました◎
「こんなに楽しそうなお客さんが見えるなら、
滞在を一日延ばせばよかったな…!」
そうおっしゃってくださった仙人温泉小屋のスタッフの御方、
ありがとうございます♡
そしていよいよ、これ↓↓
を越えていくのですが…
↓こんな感じで…
結構ハードだったため、この区間、写真ほとんど無し(笑)
ちょうど2/3くらいまで上がったところ。
結構な急登(笑)
朝7時半に阿曽原温泉を出て、お昼ご飯は11時。
既に3時間半歩いた換算、それでもこの山は越えられてない(^^;
休憩後、また一歩一歩、歩を進め、
振りかえるとこんな山々。
山の頂はもう少し!?
尾根頂上、標高1,629m、この時点で14時。
あとは、仙人温泉小屋目がけて降りていくだけ…!
真正面の山の下腹に…目指す『仙人温泉小屋』がようやく…!
「小屋覗きの木」、
木の間から、仙人温泉小屋がちょうどキレイに撮れましたよ☆
近づくにつれ、温泉の気配…♨
最後の難所? 渡渉(=川を渡ること)ポイント。
「がんばれ!! あと60m(108歩です)」
本当に108歩あったかどうか…覚えてないw
15時、兎に角『仙人温泉小屋』無事に到着!!
(阿曽原から7時間半後)
「秘境仙人温泉」
…まさにその通り!!!
大人数の私たちが泊ることになったため、
急遽手当してくださった小屋。
(ありがとうございますm(__)m)
阿曽原→仙人は、流石に体力温存のため、後発隊でエントリー。
先発隊のみなさんは、12時半頃到着していた模様。
↓男性入浴中♨ 先発隊の衣類が所狭しと干されていますw
お風呂は一か所。
時間により、男性タイムと女性タイムを分けて運営♨
何はともあれ… まずはここまで目指してきた温泉へ!!
…結構、熱い♨
泉質は、今、分析書を見てみたら単純温泉だった…
(文末に掲載あり)
こんな茶色で、鉄臭もありだったため、てっきり単純温泉以外かと…
鉄分は、二価鉄が10.5gもありました◎
単純温泉って、やっぱ単純じゃないって、つくづく実感。
ちなみに、先発隊到着時(13時頃)の露天風呂。
(photoby徒夢さん)
時間が経つにつれ、雲が多く出てるのが分かります。
手書きの「湯温・水温データ」
先ほどの分析書は平成28年当時のものだけど、
これは平成25年当時のものらしい。
泉質=単純硫黄泉、と。
単純硫黄泉とするなら、分析書上は、
総硫黄2mg/kg以上(厳密に記せば以下※のとおり)ないとダメですもんね、
(※硫化水素イオン×0.970+チオ硫酸イオン×0.572+遊離硫化水素×0.941、で2mg以上)
以前は分析書上も硫黄泉だったのかな?
温泉は、生き物だから、変わります。
それも、気付いて比較したところは、ほとんどが薄くなっていくように見受けられ…
さて、風呂上りには冷えたビール!
この中から極上に冷えた一本を手に取り、
入り口付近の眺めのよい場所へ、おのずと皆が集まり、プチ宴会🍻
段々と、雲にまみれ、姿を消していく遠くの山々。
お夕飯は、18時から。
なんと! ちゃんと日本酒までありました◎
おまけに、スペシャルでデザートのプリンまで…!
19時頃、トワイライトタイムを見計らって、
食堂からこっそり抜け出し、野天風呂へ♨
何とも言えない色合いですね…
この夜は、小屋にみんなで雑魚寝状態で寝たのだけど、
夜中に、枕元で「ずっ…」と何かを引きずる音が…怖。
暗闇だし、確認しようがないし、
頭までお布団を被ってひたすら寝たフリ?をしていた私。。
目覚まし音が鳴って、あたりに電気が付き始めた頃(多分2時頃)、
隣の彩さんに、
「彩さん、私(コンタクトも入れてないので)目が見えないのだけど、
そこに何か居ます…?」と摺れ音が鳴った方を指さす…。
彩さん「あ、カブトムシ」
緊張感も一気に溶けた瞬間でした…(^^;
朝、4時半の景色。
確かこの日、仙人温泉小屋を出発したのは、朝3時。
未明にも関わらず、私たちが出発したころを見計らって、
小屋からサヨナラとエールのランプを振ってくれていた、
仙人温泉ご主人、スタッフのみなさん…
小屋覗きの木を越えて、見えなくなるまで、ずっと振り続けてくださってたな…
ほんと有難かった。。
「ちゃんと無事に、下山しますからね~!! お世話になりました!」
もうじき、夜が明ける…。
朝の4時から、こんなに活動しているなんて…
ホント今じゃ信じられない。。
そう、この日は、来た道(雲切新道)を戻って、
スタート地点の欅平まで歩かないと…!
朝ごはん(5時半)、
仙人温泉小屋で作っていただいたおむすびをいただく。
さぁ、先はまだまだまだ…!
「どこかで見たような景色…」
デジャブのような感覚になりながらも(来た道戻ってるんだからアタリマエか…)
あんな道、
こんな道…
そんな道…
来た道を戻るってのは、
その先がどのくらいあるか想像が付いちゃうところがツライ…汗
果てしない、体力と気力のアスレチックレース。。
12時、お昼ご飯タイム。
前泊の阿曽原温泉さんにお願いして、途中ピックアップさせてもらったもの。
ありがたやー。。
15時、行き道中で、極上の天然冷蔵庫だったポイントへ、ようやく!
そこを越えたら、
またひたすら水平歩道…(^^;;;
いやー、流石にバテました。。
この時点で16時半。
みんな、バテバテになりながら、
18時、ようやく欅平まで帰還!!
仙人温泉小屋を朝3時に出て欅平18時着まで、歩いた時間、延べ15時間!!?!!
スゴイよ、みんな!
スゴイよ、ワタシ!!(笑)
よくやったな… 後にも先にも、これ以上の山行は無いだろうな…
仙人温泉小屋、私たちが行った翌年2020年そして2021年と、
コロナ禍のため営業を断念…。
あの時期に、あのメンバーで行けて、本当に良かった!
今だからこそ、改めて実感。。
<当時の絵日記(Facebook)からの転載>
【黒部奥山探湯行♨まとめ】
山道を歩いた総時間、3日間で約32時間!
8/10♨欅平発9:50=>阿曽原着18:00(約8時間)
8/11♨阿曽原発7:20=>仙人着15:45(約8時間)
8/12♨仙人発3:00=>欅平着18:20(約15時間)
※欅平→仙人は片道直線約14km、往復実測は約30km、
高低差は以下、徒夢さんの画像のとおり1,000m!
よくやったな、私(笑)
そして、若手チームは除く同行のメンバーも、よくやった!!
(若手チームは朝飯前らしいw)
過ぎてみれば…あのツラくて厳しい試練も忘れるほどの、
楽しい写真&名湯ばかり(笑)
「黒部だったら、涼しかったでしょ?」と下山後にいただく反応もちらほら。
いやいや、日差しジリジリで暑いったらありゃしない(笑)
連日汗臭くなりながら、足を前へ前へと進めるしかない。
「なんでまた(山に)来ちゃったんだろ!?」と途中自問自答しつつ、
それでも今回は毎日名湯に浸かれることが有難い…!
ハードな夏休み強化合宿、
昨年に引き続き、飯出隊長にいざなっていただきました、
隊長! 今回もありがとうございました🥰
(追伸)
今回も全日、山歩き中は晴れ☀だったことをご報告いたします(笑)
一週間前に台風が立て続けに3つくらい発生したときは、
忙しい中、天気予報の速報見て「え!?」とかなり不機嫌になってたのですが(笑)
念力で全部吹き飛ばしましたww
(2019/8宿泊)
(続きは、祖母谷温泉へ)
<温泉分析書>
源泉名:仙人湯 泉質:単純温泉 源泉温度:81.7℃ pH:3.25
溶存物質:120mg/kg 加水あり(高温のため)/加温なし/循環なし/消毒なし
#奥黒部探湯行 #仙人温泉 #仙人温泉小屋 #温泉