
酒は楽しく嗜むものなり。
酒席もまた人格の顕れるものなれば、主、客の間、己の立場をわきまえ、
これを道と心得きわめるべし。
しかして、酒造りのプロを志さんとする者、
自らの手になる酒を食いて乱れるは論外のことなり。
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一、席は主人の指図に素直にしたがうべし。遠慮は見苦し。
二、酔わぬは礼を欠く。その酔いざまに品格の上下あり。
寄って悪しき態は、怒、長、淫、なり。
三、主賓は酌を待つべし。みだりに席を離れるは困乱の因なり。
四、芸妓へ礼を欠くべからず。
五、主人は特定の客のみと親しくするべからず。いわんや芸妓においておや。
六、酌をするに正面より相対して行うべし。
側に並びて行うは、特別の関係を見せ、座の白ける因なり。
七、主賓を一人に占めるはつつしむべし。
また、絶え間なく酌責めするは馳走等の間を与えず失礼なり。
八、盃をとらすは目上。目下が空盃を持ちまわるは無礼なり。
九、主賓去るまで退席するべからず。
十、酒席での約束事は酔醒めるとともに消えると心得置くことこそ肝要なり。
十一、酒造り人たる者は、仕事の話を尋ねられたるときは、これをひかえめに行うべし。
また、深酔、あるいは両日に連なる飲酒は厳につつしむべきことなり。
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元大洋酒造社長 平田大六氏の教え
新潟清酒学校の教養課程で、酒造りに携わる方々へのお言葉ですが、
一般の私たちにも当てはまるところ、多いにあると感じます。
「酒席もまた人格の顕(あらわ)れるもの」、
確かにその通りなんですよね。。
「酒は呑んでも、呑まれるな」、気をつけましょう^^;